短歌で秋に有名な歌は?この8選!

秋に有名な短歌

和歌で秋をうたったものってけっこう多いんですよ~

例えば百人一首の中で一番多いのは恋の歌ですが、その次に多いのは秋を歌ったもの。実は桜が咲く春よりも多いのです(意外!)。しみじみとセンチメンタルになる季節なので、歌にしやすいのかもしれませんね(*^_^*)


古来からの有名な秋の短歌を一緒にみていきましょう。

秋の有名な短歌を8つ♪

紅葉

珠玉の秋の和歌を8+1首集めました。

寂しさにひたりたい時にオススメです(笑)

村雨(むらさめ)の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

「むらさめ」は驟雨(しゅうう=にわか雨)のことで、短い間に強く降ってすぐやむ雨をいいます。村雨って日本らしい素敵な言葉ですね^^

槇の葉にはまだ雨粒が露となって残っている、「まだ干ぬ」ですから乾いていないですね、そんな時に周辺にうっすらと霧が立ちのぼっている、そんな趣のある秋の夕暮だなぁという歌です。

寂蓮法師は別の歌で、有名な「三夕(さんせき)の歌」にも選ばれている歌があります。その1つに、

「さびしさは その色としも なかりけり 真木立つ山の 秋の夕暮れ」

という歌もうたっています。

こちらも、「秋の夕暮れ」で終わっていて、この言い回しが気に入っていたのかな、と思えます(*^^*)

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さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮

良暹法師(りょうせんほうし)

寂しいので泊まっていた家から出て眺めたら、どこも同じく寂しい秋の夕暮だなぁという意味です。宿というのはこの場合は自分の家という意味です。

夕焼け

秋の夕暮れとか本当にヤバイくらい寂しい時ってありますよね。

私も昔、単身で関西から東京に引越して、夕方に夕食の買い物にスーパーに行きました。その帰りに1人で食べるご飯を思うと、かなり切なかったです(^^;

良暹法師も、きっとそんな気分だったのでしょう(笑)

見わたせば 花も紅葉(もみぢ)もなかりけり 浦の苫屋(とまや)の 秋の夕暮れ

藤原定家

こちらも、先程の「三夕の歌」の1つです。

「浦のとまや」は海辺にある漁師の粗末な家のことで、屋根は菅や茅などの草を編んだとま(苫)で葺いてあります。

そんなとまやから周りを見渡しても花も紅葉もなくて、なんとも寂しい秋の夕暮だなぁという歌です。

秋の田の かりほの庵の 苫(とま)をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ

天智天皇

百人一首の有名な最初の歌で、天智天皇の作ですが、ここにも苫で屋根を葺いた仮庵(かりいお=かりほ)という粗末な小屋が出てきます。

秋、稲の刈り入れのために作った小屋の屋根の苫の編み目がとても粗いので、夜露が降りて私の衣の袖がぬれてしまうことよ、といった内容です。なんで天皇がそんな粗末な小屋で夜をすごすの?いえいえ、農民の立場で詠んだものなのでしょう。

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月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど

大江千里(おおえのちさと)

心が千々(ちぢ)に乱れるという言い方があります。心が千個にばらばらになったようにめちゃくちゃに乱れるという意味ですね。

全体の意味は、月を見るとあれもこれもたくさん、もの哀しい感じがするよ、私一人のための秋ではないのだけれど、となります。

「千々」と「一つ」の対比を意識した歌ですね。

秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる

藤原敏行

秋が来たと、目にはっきり見えるわけではないけれど、風の音が今までの夏とは違うことに気が付いた、という歌です。おどろかれぬるは、驚いたわけではなく、気がついた、という意味です。

今でも、まだまだ暑いのに8月の終わり頃になると、なんとなく秋を感じるという事がありますよね。あの感じです。鋭敏な感覚が感じられます。

金色の ちひさき鳥の かたちして いてふ(いちょう)散るなり 夕日の岡に

与謝野晶子

イチョウ並木

金色は(こんじき)と読みます。全体の意味は、金色の小さい鳥のような形のイチョウの葉が、夕日のあたっている丘でひらひら散っていくことよ、という意味になります。

確かにイチョウの葉は細い首を伸ばした鳥のような形に見えなくもありませんね。そして、夕日を浴びた葉の色は、黄色ではなく金色に光っているように感じられたのでしょう。素敵な表現ですよね(*^_^*)

イチョウの葉を鳥にたとえた比喩表現を楽しめますね。

ゆく秋の 大和の国の 薬師寺の 塔の上なる 一ひらの雲

佐々木信綱

大和の国は奈良のことです、秋も終わろうとする頃、奈良の薬師寺の塔の上を一片の雲が静かに流れていく(または浮かんでいる)、という意味になります。

薬師寺の塔の水煙※は、繊細で美しいことで知られていますから、その上空を行く雲の美しさも想像できますよね。

※頂部を飾る装飾金具

この歌の面白いのは「の」を5つ重ねてリズムを作っているところと、それによって読者の目線を、秋>大和の国>薬師寺>塔、という風に小さい部分にズームアップし、最後にひとひらの雲と一見小さいけれど実は小さくはない物に解き放っていくところでしょう。

さすが歴史に残る歌は、奥が深いですね(# ̄v ̄#)

さいごに

秋の有名な短歌でした!

どれもこれも、なんとも寂しい気持ちになる歌でした。もう何というか、どうやっても秋は寂しいのでしょう(笑)

百人一首の中だけでもまだまだ秋の歌はありますから、声に出して読んでみて、心地よいリズムの歌を探してみてくださいね。

ちなみに、もし短歌を作ってみたくなったら、こちらをどうぞ♪
短歌の作り方のコツ!中学生や初心者でも簡単に♪

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